時代の流れに合わせて広まった託児所
出産後も子育てをしながら仕事を続ける女性が増えています。子供のいる看護師が早期に復職するためには託児所が必要です。近年は、復職する看護師のために託児所を設置する医療施設が増えていますよ。
少子高齢化による人材不足
日本は少子高齢化が進んでおり、労働人口の減少が大きな問題となっているのは周知の事実ですよね。出産を経験する女性の年齢層は、労働者としての経験やスキルが豊富な人も多いため、職場にとっては重要な人材です。しかし、これまでと同じ条件では働き続けることができません。そこで、子育てをしながらでも働き続けられる環境を整備する必要があります。そのために近年増えているのが、子育てと仕事の両立支援を目的とした託児所の設置です。
待機児童問題
子供が生まれてからも働き続けたいと考えている女性は多いです。とはいえ、仕事中はどこかに子供を預けなければなりません。少子化が深刻化した2000年前後には、地域の保育所や託児所の経営が悪化し、施設の閉鎖が相次いだことで、待機児童の数が増えました。待機児童問題はニュースでもよく取り上げられていましたよね。2010年には全国の待機児童数が2万6,000人を超えてしまいました。
このように、働きたくても働けない女性が増えたことも大きな問題となっています。国としてもこの問題の深刻さを受け止め、待機児童問題の解決に向けた取り組みを進めています。今もなお完全に解決したわけではなく、人材不足と待機児童問題の両者解決に向けて、託児所の設置が急がれている状況です。
医療施設で増えている
託児所の設置が特に進められているのは、医療施設などの現場です。高齢化に伴い、社会全体で医療に対する需要が伸びています。そのため、医療施設は人材不足に悩んでおり、現場を支える看護師のほとんどは女性ということもあって、託児所の設置が強く求められています。国はさまざまな支援施策を講じ、医療施設内に託児所を設置するためのハードルを下げている状況です。
また、看護師は国家資格が必要なだけでなく、長時間労働や土日祝日の勤務などがあり、子育てとの両立が難しいですよね。出産を機に退職する人が多く、復職もしづらいという問題があります。そのため、資格を持ちつつも復職をためらっている看護師に向けて、雇用形態を問わずに利用できる託児所を完備している医療施設も増えているようですよ。これなら、パート・アルバイト勤務で働きながら、子供を託児所に預けることができますね。こういった取り組みは今後も広がっていくことが予想されます。